老後にペットを飼いたい!は、よく考えてから

日々思う事

うちでは以前、犬を飼っていました。娘が小学校低学年の時に亡くなったジイさんが、動物管理センターで譲り受けてきたんです。どれにしようか犬のゲージを見ていたら、寄って来た仔犬がいたんで、それにしたというんです。柴犬の雑種です。両耳共に垂れた愛嬌のある仔犬でした。

娘は、仔犬に「ヤマト」と名付け、犬小屋にも名前を書いていました。仔犬よりも先に自分が入ったりしてはしゃいでいました。
でも、娘がヤマトと一緒に遊んでいたのも小学生まででした。生き物ですから、食事をやらなければなりません。食事は、亡くなったバアさんがやってくれていました。主に家族が食べた残飯でした。
散歩は、ずーっと私です。ヤマトをもらって来たジイさんが散歩に連れて行ったのを見た記憶がありません。ただ、一度、私が仕事帰りにジイさんを見ると額にバンソウコを貼っていた事があって、聞けばヤマトを連れて散歩に行こうとした

ら、に引っ張られて倒れたらしい。その際、額に傷を負ったとのこと。もう、70代後半の老人でしたから、抑えることが出来なかったんですね。いつも、私が自転車につないで全速力で駆け出して散歩に行っていたものですから、ジイさんがヤマトの鎖を外した途端に、駆け出したらしい。ヤマトは、いつも通りのスピードで走り出したんです。
バアさんが亡くなってからは、ヤマトの餌やりも私がドッグフードを買って来て、食べさせていました。
我が家に連れてきてから17年経った頃、以前のように自転車で散歩に行くことはなくなりました。リードに繋いで、私の歩くスピードで散歩に行くのがやっとの有様になりました。老化です。そして、目を見ると白濁しているんです。犬の白内障?

初めて犬猫病院に連れて行きました。医者からは、目薬と飲み薬を処方してもらいましたが、ヤマトは目薬をさせてくれません。飲み薬に至っては、避けて食べるんです。無理やり、飲ませようとしても、頑として口に入れさせません。目薬も3滴に1回は、外れてしまいます。

目はますます悪くなっている様で物にぶつかったり、川に落ちたり、食事もほとんど食べなくなってきました。

そのうちに夜になると鳴き出すんです。知らない人や犬猫が寄って来た時に鳴く威嚇の鳴き声ではなく、苦しい様な悲しい様な、なんとも言えない聞いてて、こちらが苦しくなる鳴き声なんです。後から、分かったんですが、犬の認知症のようでした。

そんな状態がしばらく続いたある晩、急に静かになったんです。小雪の降っていた時でした。小屋の中に姿がないんです。リードの先を辿るとそこに冷たくなったヤマトが居たんです。歯茎から歯が見えていました。苦しんで苦しんで絶命したんです。私はその時は、55歳位でしたが、涙が止まらなかったです。

本当にかわいそうなことをした。安らかに眠らせることが出来なくて、苦しい思いをさせてあの世に行かせてしまって、本当に悪かったと謝まりました。

ヤマトの亡骸は、我が家の日当たりのいい庭の一角を掘って、埋めてやりました。雪が1mくらい積もっていましたが、その雪を除き、土を掘り下げ、地中に首輪を付けたまま、埋めてやりました。いつまでも我が家のヤマトだよと声を掛けて、やりながら。

これ以来、我が家で犬を飼うことは、生涯しないと誓いました。あまりに悲しい思いをしましたので、本来なら孫が家に遊びに来た時に一緒に遊ばせたらいいかなとも思いましたが、ヤマトの最後を見て、そんな気持ちには、なれませんでした。

それにこれからは自分の身の回りのことも出来なくなるかもしれないのにペットの世話にまで手が回らないと思います。ペットが亡くなるのを見るのも嫌ですが、自分が先にあの世に逝ってしまったら誰がペットの世話をするのか。どう、考えてもシニアがペットを飼うのは無理があります。

老後、暇だからといってペットを飼おうか迷った時は、最後まで面倒見れるか良く考えてからにしましょう。

狂犬病注射後に新しい鑑札を付けてやりました。
これが最後の鑑札になりました。

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69歳。電気メーカーを60歳定年で退職。その後、年金事務所に約5年勤務。令和2年4月から会計年度任用職員として地元自治体(県)に勤務。令和5年4月から期せずして無職になるも7月から市役所の会計年度任用職員に。この歳になっても如何に生きるべきか、人生をさまよっているシニアの日常を見てやって下さい。(2024年9月1日現在)

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